姉への想い2
- 2020/07/13
- 22:04
ある日、Yが何の気なしに姉の服を着たことから始まったのです。Yが小学低学年の夕方でした。いつものように母親から渡された洗濯物を自分の部屋に持っていったYは、自分の洗濯物の中に姉のお気に入りのワンピースが混じっていたことに気付いたのです。それは、フジの花柄の刺繍が美しい長袖のワンピースでした。姉のお気に入りで、誕生日の日など、大事な日だけに着ることにしている特別な洋服でもありました。普段のYならば、その...
姉への想い
- 2020/07/06
- 22:13
翌朝、Yの方からおずおずと話しかけてきました。昨夜はほとんど寝ていなかったのでしょう。酷い顔色でした。「あの…。昨夜のこと、ごめんなさい。気持ちの整理がつくまで、触れないでくださいますか?」と。私は気にすることはないと伝えました。Yが気持ちの整理を着けるまで、一週間を要しました。その間、必死に平素を装いつつも、どこか心あらずなYと共に過ごす時間は非常に虚しいものでした。週末、いつものようにテレビの録画...