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目14

翌朝、私達はにこやかなNさんに見送られながら、古民家を後にしました。高速を走りながら、私はぼんやりと古民家であった出来事を思い返していました。特に印象的だった”共有妻”について何度も思い返そうとしました。しかしどれほど思い返してみたところで、思考は千々に乱れまとまろうとしません。昨夜のことなのに、現実味のない映画を眺めているような感覚しかなかったのです。Yも色々と思う事があったのでしょう。ぼんやりと流...

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目13

以前の記事で触れた通り、Yは不妊症です。彼女は自然妊娠は望めないという体に酷い負い目を感じています。そのせいもあって、私とYの間では避妊をすることが不文律となっていました。確かに自然な交わりの中で妊娠をしたとしたら、それはこの上もない喜びです。ですが、幾度Yに精を注いだとしても妊娠することがなかったなら、Yは余計に傷つき、精神的に追い込まれて逝くに違いありません。私はYの負い目がさらに重みを増すことが...

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目12

人里離れた古民家を取り巻く闇がより一層重みを増したように感じられました。私は声を喪っていました。「Yを”共有妻”にしたい」というNさんの言葉自体は理解出来ていました。写真の女性と交わっているように、Nさんがもう一人の夫としてYと交わるという意味です。しかし、私にはそれが酷く非現実的に感じられました。まるで映画かドラマでも見ているような、どこか他人事のように遠いモノとして感じられていたのです。特にその印象を...

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目11

私はしばし写真に映し出された世界の醸し出す妖気とでも言うような妖しい性に魂を奪われたように時を忘れていました。やがて私ははっと我に返りました。傍らのYに目を向けてみると、彼女もまた、私と同じ、写真に魂を奪われたように微動だにせず見入っています。その瞳は潤み、小さな桜色の唇がうっすらと開いていました。そして明らかに呼吸は荒くなってるのが見て取れました。小さな手は硬く握りしめられています。その姿は相互...

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目10

リキのことでYが怯えてしまったのは残念でした。それを抜きにすれば充足感の勝る山梨の自然探訪でした。しかし、本当に重要な出来事はその後に起こったのです。その夜、私達はNさんの家に宿泊することになっていました。夕食に舌鼓を打った後で、Nさんに「ぜひ、あなたたちにお見せしたいモノがあるのです」と、私達は”倉”へ招かれました。…そう、その時の私達は知らなかったとはいえども、NさんのSMの神髄、全てが秘められている場...

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