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告白4

Yの実家の近所には、N子さんという女性が暮らしていました。その当時のN子さんは31、2歳。離婚歴がある女性で、女手一つで美容室を切り盛りしていました。飯島直子に似た派手目の美人でした。男からの誘いは引きも切らなかったようですが、地域の人目をおもんばかってなのか、上手に躱していたようで、浮いた話ひとつなかったようです。馴染みの顔ということもあって、N子さんはYにも気軽に声を掛けてくれていたそうです。しかしY...

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告白3

Yは再び、「このままではダメですか?」と不安げに問いました。私はまず、Yが今まで重ねてきた努力と勇気に礼を述べました。彼女の臆病で引っ込み思案な性格を考えれば、どれほど努力を続けることが大変だったのか、痛いほど感じることが出来たのです。心配そうなYの表情が緩みました。そして、このままではダメですか?というYの問いにどう答えるか迷った末に、まず、ずっと気になっていたことを尋ねました。Yはなぜ、相互オナニ...

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告白2

無論、それは拒絶ではありませんでした。Yにとって、相互オナニーは特別の意味を持つ行為でした。それは、私達夫婦が作り上げた、私達だけの営みだったのです。私が悩んでいるように、YはYなりに自分を取り巻く「枷」について悩んでいました。(むろん「枷」という表現はしませんでしたが、同じことでした)「枷2」というエントリーでも触れた通り、Yは私を異性愛のパートナーではなく、家族愛のパートナー。夫としての役割でみており...

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告白

寝取られ性癖を持つことを、Yにどのように打ち明けるか迷いました。結局、淫夢の話から口火を切ることにしました。私は淫夢を見たことをYに告げました。Yは淫夢の内容について詳しく知りたがりました。私は覚えている限り詳細に淫夢の内容を伝えました。(無論、Nさんいついては伏せました)Yは話を聞きながら、頭の中で妄想しているのでしょう。紅潮した頬や首筋から、興奮していることが手に取るように解りました。普段なら、そ...

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Nさんの帰還7

私が淫夢から感じたこと。それは、雁字搦めになった「枷」から解放されることは、最早自分たちの力では出来なくなっているという事実でした。「自分」がないというのは、考えすぎだということは自分でも良く解っています。ただ、自分の感情を押し殺して周囲の期待に添うように生きてきた結果、自分の感情を見失ってしまったことは確かです。素直に感情を表したり、感情を感じることが自分では出来なくなってしまった。-私とY,共に...

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Nさんの帰還6

真正面からYと向き合うこと。私にとって、それは難事としかいえない課題でした。「Nさんの帰還3」のエントリーでも述べたように、私は「兄」という虚飾の仮面を被ることで、なんとか社会で生きていられるような人間です。「聞き分けの良い子」「手間のかからない子」。それが両親が幼い私に求めた人間でした。私は両親を失望させないよう、必死に両親の求める自分を演じ続けました。「枷」からはみ出さぬ限り、私は咎められることもな...

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Nさんの帰還5

その淫夢は、異常なほどのリアリティを感じさせました。仕草や服装、オナニーの仕方は普段見慣れたYそのものでした。朝の清潔な光りに照らされた肌の艶や、肌に浮いた汗、勃起した乳首、感じると沸き立つ女のニオイまでもがいつも触れているYそのものだったのです。しかし、人並み以上に高いモラルと羞恥心を持つYが、電車という公共の場でオナニーをするなど、ましてや人に見せつけるような淫らなオナニーをするなど、とても考え...

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Nさんの帰還4

虚飾を脱ぎ捨て、Yに弱い自分をさらけ出す…。寝取られの妄想で遊ぶのと、それが自分の性癖であると打ち明けることは、実際は天と地ほどの隔たりがあります。性癖を打ち明ければ、今までの経験を洗いざらいぶちまけることになるでしょう。私は自分がなぜ寝取られを求めるのか。なぜ寝取られでなければならないのか。ひいては元彼女を失うまで他の男に抱かせたのか。上手く説明する自信がありませんでした。Nさんが言っているのは、...

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Nさんの帰還3

Nさんは、「帰るべき場所であろうとしているのは、mitsuさん自身ではないですか?」と指摘したのです。つまり、器の大きな自分-Yに限らず、どのような人からも尊敬されるべき人間であろうと私自身が常に虚勢を張って自分を大きく見せている。何事にも動じず、受け止められるだけの器量を持つ虚飾の私を演じているのではないのですか? という指摘だったのです。私は認める他ありませんでした。私の中に、器の大きな人間でなければ...

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Nさんの帰還2

Nさんとしばしやりとりをしました。その後で、私とYの現状を尋ねられました。私は置かれている状況を率直に伝えました。寝取られ系のHPで出会ったAさん、Kさんのお二人とやりとりしていること。Kさんのアドバイスで相互オナニーをするようになったことを伝えました。Nさんは相互オナニーに興味を惹かれた様子で、「どのようなものですか?」と尋ねられました。私は、Yと共に妄想を膨らませながらオナニーをしていることを伝えまし...

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Nさんの帰還

私とYは、相互オナニー以上に進めず足踏みしていました。こればかりはKさんに相談しても、どうにもなりませんでした。この時点で、Nさんが消息を絶ってから半年ほどが経っていました。私は季節の変わり目や、Yとの関係に僅かな変化が起きた時など、折に触れてNさんにメールを送っていましたが、1度たりとも返答が返って来ることはありませんでした。Nさんはもうネットからは去ってしまったのだろうか?一抹の寂しさを感じていた年...

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Yの性欲10

ある週末の夕方でした。私はKさんのアドバイス通り、相互オナニーの妄想として、Yを性の熟達者に貸し出す、という妄想をYに持ちかけたのです。それまでの相互オナニーで様々な妄想を共有してきた成果でしょうか、Yはそれほど抵抗なく受け入れてくれました。それまでO嬢の妄想で、「共有」や「背徳の館で調教を受ける」という形はありましたが、特定の誰かに貸し出して調教してもらうというのは初めてでした。そのせいか、Yは最初、...

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Yの性欲9

無論、私とYが相互オナニーに耽っている間も、Aさん、Kさん、お二人とのやりとりは続いていました。その時の私は、Kさんに比重を置いてメールのやりとりを続けていました。Aさんがあまりにガツガツしているので距離を置いていたのと、Kさんは性に熟達した年長者ということもあり、的確なアドバイスを示してくれました。それに基づいて、ゆっくりとYの心を解きほぐす手応えが感じられたのです。相互オナニーもKさんのアドバイスでし...

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Yの性欲8

幼い頃のYは文学少女でした。彼女は時を忘れて諸外国の様々な文学を読み漁っていました。文字の中の妄想で遊ぶことが、Yにとって窮屈な現実からの逃避であり、楽しみでもあったのです。やがて思春期を迎えると、その興味が性愛に関する文学へと向かったのも、自然の成り行きだったのかもしれません。特にYの心を捉えたのは、「澁澤龍彦」の訳したフランス文学でした。「悪徳の栄え」に代表される、サディストとマゾヒストを扱う小...

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Yの性欲7

私はYから手渡された本を読もうとしました。しかしYは慌てて、ひとりで読んで欲しいと言ったのです。私は苦笑しつつも、どんな本なのかが気になり、早速自室で読み始めました。それは、「O嬢の物語」というタイトルでした。ポーリーヌ・レアージュという作者の本で、澁澤龍彦が訳した物でした。読み進めていく内に、私は興奮を抑えきれなくなっていきました。というのも、本の内容が「共有」に関する物だったからです。主人公のOと...

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