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Yの性欲7

私はYから手渡された本を読もうとしました。
しかしYは慌てて、ひとりで読んで欲しいと言ったのです。
私は苦笑しつつも、どんな本なのかが気になり、早速自室で読み始めました。

それは、「O嬢の物語」というタイトルでした。
ポーリーヌ・レアージュという作者の本で、澁澤龍彦が訳した物でした。

読み進めていく内に、私は興奮を抑えきれなくなっていきました。
というのも、本の内容が「共有」に関する物だったからです。

主人公のOという女性には、ルネという彼氏がいます。
ルネは歪んだ性癖の持ち主で、最愛の女性であるOが「淫売」として様々な男に
抱かれている姿を見てみたいという願望を持っています。

そしてルネは、背徳の館にOを預けるのです。
そこでOは、誰にでも体を開く淫売として厳しい調教を受けます。
Oはルネを愛しているからこそ、ルネの性癖を受け入れ、ルネの所有物として見知らぬ男達に
身を任せる悦びを感じるようになります。

館での調教が終わり、再び元の世界に戻ったO。
程なくしてOは、ルネによってステファンという年配の男性と引き合わされます。
ルネにとってステファンは敬愛の対象。ルネは最愛の女性であるOをステファンと
共有することで、最大級の敬愛の情を示そうとしたのです。Oも、ルネへの愛情を示すべく、
ステファンとの共有関係となることを受け入れます。

ステファンは熟達のサディストでした。
ステファンから与えられる苦痛と、それに倍する甘い快楽。性愛の密がOを侵していきます。
体を通じて心を開かれたOの中で、徐々にルネへの思いが色あせていき、ステファンへの
愛が深まっていきます。やがてOはステファンだけに愛されることを望むようになり、彼の
性奴であることに悦びを感じるようになるのです。

…ルネは共有ではなく、Oをステファンに献上したのでした。

完全にOの心が堕ちた時、ステファンはひとつの「証」を求めます。
愛の証としてステファンの所有物であるという「焼き印」をその身に帯びるという証。Oはそれを
受け入れます。そして、大勢の人の前で、その証を露わにするのです。

私はO嬢の物語を読んだとき、昂ぶりを隠せませんでした。
そこには私の妄想に近しい世界が広がっていました。それにも増して、Yがそのような世界で
妄想を羽ばたかせていたのですから。

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