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告白3

Yは再び、「このままではダメですか?」と不安げに問いました。

私はまず、Yが今まで重ねてきた努力と勇気に礼を述べました。
彼女の臆病で引っ込み思案な性格を考えれば、どれほど努力を続けることが大変
だったのか、痛いほど感じることが出来たのです。

心配そうなYの表情が緩みました。

そして、このままではダメですか?というYの問いにどう答えるか迷った末に、
まず、ずっと気になっていたことを尋ねました。Yはなぜ、相互オナニーの時、必ず年配の
教育者タイプの男性を想像するのか? 相互オナニーの後、それとなく幾度か尋ねてみても、
Yは曖昧な答えではぐらかしてきたのでした。

Yは少し悩んだ末に、彼女の性の源流について話を聞かせてくれました。
幼い頃、Yは実家に居場所がありませんでした。常に華やかな姉が家の中心人物で、
Yは○○ちゃんの妹という扱いでした。食卓の席でも、居間で寛いでいても、常に姉の
一声から話が始まるような状態だったのです。

ある日など、Yがなんとなく居間に入っていくと、寛いでいた両親は居間に入ってきたのが
姉ではなくYだと解った途端、父は拍子抜けしたかのように新聞に目を落とし、母はテレビに
視線を戻した、というようなことさえあったのです。

そのような状況に置かれていた小学生のYにとって、唯一の心休まる逃避先は、
「お向かいのお爺ちゃんのお家」でした。

Yの実家から、細い道一つ隔てた向こう側には、子供のいない老夫婦が暮らして
いました。ある日、母親に老夫婦を紹介されたYは、お二人の柔和で知的な立ち居
振る舞いに理想の夫婦像を見いだしました。そして、いつの頃からか、Yは家に居たくないと
思うとこの老夫婦の家に逃避するようになったのです。夫婦は子供がいない故か、Yが来ると、
自分たちの子供のように暖かくもてなしてくれたそうです。

中でも、お爺さんはYを特段気に入っていた様子で、様々な本を読んでくれたり、
物語を語ってくれたそうです。Yはソファーで寛ぎながら、お爺ちゃんの話を聞かせて
もらうのが日々の楽しみのひとつとなっていました。

ある日、Yがいつものように老夫婦の家を訪れると、お婆さんが出迎えてくれました。
お爺さんは用事で出かけているとのことで、お婆さんがレンジでおやつのクッキーを焼いて
くれたそうです。クッキーが焼き上がるまでの間、手持ちぶさたなYは、二階にあるお爺さんの
書斎兼自室を探検していました。

そこはお爺さんの趣味の部屋でもあって、壁一面を備え付けの本棚が占領していました。
また壁面を覆い隠すほどの立派な外国製のオーディセットが設置されており、Yはしばしば
クラシックの名盤のレコードを聴かせてもらっていたそうです。

子供らしい探検心から、あちこちの引き出しを開けていたYは、引き出しの奥からカセット
ボックスを見つけ出しました。そこには題名のないカセットテープが10巻ほど入っていた
そうです。

好奇心からデッキにカセットを入れると…。
やや空白があって、その後で聞き覚えのあるお爺さんの声が聞こえてきました。
しかし、それは普通の音声ではありませんでした。耳を澄ませて聞いていたYの耳に
飛び込んできたのは、お爺さんがバイブを使って女性(お婆さん以外の若い女性)を責めて
いる場面で、なおかつ「旦那さま」という女の哀声だったのです。

むろん、その時のYには、何が記録されているかなど解りません。
ただ、男女の営み-聞いてはならない禁断の世界が記録されていると、うっすらと
解った程度です。(バイブで責めているというのは後で解ったことです)

Yは後ろめたさから、テープを元に戻し、何食わぬ顔でお婆さんの元へ戻りました。
夕方になって家に戻ってトイレに入ってみると、何も解らぬままに興奮していたのでしょう。
ショーツの股間の部分がしっとりと湿っていたそうです。

それがYの性の目覚めでした。

Yはそれ以来、しばしばお爺さんがいない隙を見計らって書斎を訪れ、淫声テープを
聞くようになったそうです。テープを聴き進めていく内に、Yは気づいたことがありました。

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