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告白2

無論、それは拒絶ではありませんでした。

Yにとって、相互オナニーは特別の意味を持つ行為でした。
それは、私達夫婦が作り上げた、私達だけの営みだったのです。

私が悩んでいるように、YはYなりに自分を取り巻く「枷」について悩んでいました。
(むろん「枷」という表現はしませんでしたが、同じことでした)

「枷2」というエントリーでも触れた通り、Yは私を異性愛のパートナーではなく、
家族愛のパートナー。夫としての役割でみており、セックスにも充足感や安堵感を
求めていました。

それはYなりの「枷」への対処法だったのです。

Yの場合は、家庭での厳しい性への締め付けと、性行為は汚い物という先入観を両親から
懇々と植え付けられ続けた事。それに加え、姉へのコンプレックスや、不妊-自分への自信の
なさが相まって、「自分は汚いという思い込み」「生々しい女の部位への嫌悪感」が肥大してしまった
のです。そして、男性を満足させられない。不快な思いをさせているのではないか、という畏れが常に
Yの心に巣くっていて、無意識に性の拒絶という形で出てしまうのです。

Yの考えついた対処法は、(枷というエントリーでも触れましたが)強すぎる快感を避けることと、
私の存在を夫と見なすこと(異性愛の対象とみなさないこと)で、肌の触れあいによる安堵感のみ
を感じることに集中することでした。

そして、畏れを押し殺した上で、私との性交に望み、ようやく体の触れあいで安堵感を持つように
なりました。それだけでなく、クリトリスを刺激しながらなら、軽く逝けるようにもなったのです。
そこまで至るだけでも、Yにとって、非常な勇気と努力を必要とすることだったのです。

それでも、常々Yは、私が満足していないことを、肌の触れあいによる充足感や安堵感
以上の物を求めていることを感じ、後ろめたさを感じていたのです。

そのような状況で、私達は成り行きとはいえ、相互オナニーを始めました。
私達は、妄想を共有してオナニーすることで自分を解放することが出来ました。
その時の一体感は、彼女にとって初めて感じるもので、今まで感じたことがないほどの充
足感を感じていたのです。それに加えて、普段あまり自分の感情を見せない私が、妄想を
語りながら溢れるほどの感情をYに向ける。それが何よりも嬉しいのだと彼女は言いました。

Yは、相互オナニーという夫婦の交わりの形を二人で作り上げたことに充足していたのです。

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