共有妻Y

そこまで話した時でした。
Y'が申し訳なさそうに、「あの…。良いですか。
この続きはNさんを交えてお話ししても」と尋ねたのです。

私は戸惑いました。
Yの真意が解らなかったのです。私だけではとても受け
止めきれないようなことなのか。それとも、私がそれだけ頼り
ないとでもいうのか…。

時々姿を見せる私の弱気。
長年私と付き合ってきたYは敏感に察知したのでしょう。
「安心してください。そういうのじゃなくて、私自身でも整理できて
いない感情だから、人生の朋輩の意見も聞きたいだけです」
と、ほっこりと笑い、私の手を握ったのです。

私はそれで安心しました。
NさんにYとの話しを伝えると、快く承諾してくれました。
そして、メールではやりとりがまどろっこしいので、チャットで
話してみませんか？　と提案してきたのです。

私もYも、キーボードに関しては問題ありません。
しかし、チャット自体が初めてでした。どのような物なのか、
どうやって話すのか。それすら解らなかったのです。

そう伝えると、Nさんは、文字を使ったコミュニケーションツールで
あることと、任意のパスワードを設けることで、パスワードを知る人
だけで話せることを教えてくれたのです。

Yも、チャットで話すことに異論はありませんでした。
こうして私達3人は、初めて話すことととなったのです。