ちょっとした世間話で場が和んだのを見計らい、Nさんから
ここ最近の話-性に関する話を促されました。
私とYは顔を見合わせました。
Yも、そして私も困った顔をしていました。
しかし、今までの経緯を赤裸々に伝えました。
Yが姉の姿をとって相互オナニーをしたことや、
Y自身でも心の内で整理の着かぬ気持ちや願望がある
ことなどを、余すことなく。
そして、Nさんと話したいと言ったのはYであることまで、
何もかも、隠さずに伝えたのです。
Nさんは静かに私達の話に耳を傾けていました。
時折相づちで先を促す他には、意見らしい意見も
彼は述べません。
私とYは、いつものようにNさんが熟練の年長者の鋭い視点から、
Yの心の内に関しての私見を述べてくれる。それによって、心のベールが
一枚剥がれ落ちるような、そんな言葉が返ってくることを期待していました。
改めて思って見れば、この時点で私達にとってのNさんは
私にとってのメンター、人生の師のような存在となっていたのかもしれません。
しかし、この時はしばらくの間返事が返ってきませんでした。
私は心配になり、何かありましたか?とNさんに尋ねました。
ややあって、返事が返ってきました。
…その返事は、私達が想像していた物とは違っていました。
「実際に会って、話してみませんか?」というものだったのです。