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出会い13

旦那さんが掲示板に書き込みを始めたのは.動画を観た直後でした。

それまで傍観者を続けてきた旦那さんでしたが、衝撃的な動画を観て、
自分も書き込まずにいられなくなったのです。

寝取られ願望を持つ夫達の集う願望告白掲示板に、
「美人妻を寝取られたい/Sの夫」という名前で、自分の内にある
鬱々とした寝取られ願望について堰を切ったように書き込み始めたのです。

そこで赤裸々に語られた旦那さんの寝取られ願望はといえば…。

旦那さんの心の中には常にある一つの光景がありました。

旦那さんがSさんと友人として共に過ごしてきた7年という長い長い年月、
その期間の中で起きた出来事でした。

7年の間、Sさんがお付き合いした男性は都合3人。
最後の1人以外はすべて旦那さんと直接面識がある男性でした。
中でも2人目の男性は、大学でも同じサークルで、旦那さんの友人といって
も良いほど近しい関係の男性だったのです。

Sさんと友人が付き合っていると聞いたとき、
旦那さんは嫉妬と同時に諦めを感じました。内気でインドアタイプな
自分とは正反対で、友人は社交的で常に日焼けしている活動的なタイプ。
Sさんとお似合いだと認めずにいられなかったのです。

そんな旦那さんの心に焼き付いた光景とは…。

ある飲み会の最中、トイレに立ったとき、偶然見てしまったのです。
Sさんと友人が物陰でキスを交わしている姿を。

旦那さんは見てはならないモノを見たような罪悪感に襲われ、
2人に気付かれぬように飲み会の席に戻りました。その後、2人も
何事も無かったかのように時間差をおいて戻ってきたのです。

…その日、旦那さんは自慰をしました。
せずにいられなかったのです。

旦那さんの劣情を誘ったのは2人のキスという行為そのものよりも、
馴れ合った2人-すでに幾度も性的な交わりを交わしたモノ同士が
共有する馴れ合いの空気。直接触れてしまったその空気が
旦那さんに淫らなSさんの姿を妄想させたのです。

しかし、Sさんを思っての自慰はそれ一度っきりでした。
まるで自分が薄汚い人間であるかのような自己嫌悪に苛まれ、
自分の内に情動を押し込めてしまったのです。

表面上ではその情動は収まったかのように思えました。
再び情動が湧き上がってきたのは、夫婦となって肌を合わせてから。
長年の思い人と肌を合わせる幸福感とともに、忘れていたはずの
情動が蘇ってきたのです。

心の内をさらけ出したような告白に対して、掲示板の人達の反応は
暖かなモノでした。寝取られの性癖を持つ同士として、劣情に対する共感と、
7年の恋を実らせ美しい女性を射止めた旦那さんに対する羨望と賞賛の言葉が
書き込まれたのです。旦那さんは認められたことがよほど嬉しかったのでしょう。
書き込みに対して一つ一つ丁寧に返答していきました。

暖かい言葉に混じって、Sさんの写真が見たいという
言葉も多く書き込まれました。旦那さんが七年の間恋い焦がれた女性が
どれほど美しいのか、見てみたいと願う声が多かったのです。

惚気たい気持ちも多分にあったのでしょう。決して少なくはない声に
押されるかのように、旦那さんはある日、Sさんの写真を載せたのです。

全体をソフトにぼかしたSさんの立ち姿の写真でした。
ぼかしを入れていても、Sさんの上品な佇まいは伺うことが出来ました。
賞賛の声が殺到し、多数スレッド存在する掲示板の中でも、旦那さんの建てた
スレッドは人気のスレッドとなっていきました。

過剰ともいえる反応に気を良くした旦那さんは、徐々に写真を載せていきました。
最初は全体的にぼかしを入れていたのが、やがては目だけを見せたり、
鼻や口元といったパーツを見せるようになっていったのです。

そればかりかSさんの未洗濯のブラやショーツの写真
まで載せるようになっていったのです。

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