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出会い14

ある日、旦那さんのスレッドに一つの書き込みがありました。
「古の調教師」という名前の書き込みでした。
その書き込みはSさんの美しさを褒めた後で、やんわりと
身元がばれる危険性を伝えるモノでした。

「古の調教師」-それはNさんでした。

「あまりに旦那さんの書き込みが危うくて、
つい書き込んでしまいました」
と、当時を思い出しているのでしょう。
Nさんが面映ゆそうに言いました。

それまでNさんは傍観者として掲示板を覗いていました。
寝取られ願望を持つご夫婦とお付き合いした過去を思い出しながら、
当時は解らなかった”寝取られる側の気持ち”に触れることに並々ならぬ
興味を抱いていたのです。

しかし旦那さんの暴走とも言える危うい書き込みを見て、教育者としての
性質で黙っていられず思わず書き込んでしまったのでした。

このようにして旦那さんとNさんの交流が始まりました。

掲示板の参加者の多くは旦那さんよりもSさんに感心を寄せていました。
もっと写真を見たい。もっと過激な写真を見せて欲しいという願いが
日々多くなっていったのです。ある時など、掲示板に掲載されたSさんの
写真をプリントアウトして、Sさんの顔に向けて射精している写真すら載せる
男性すら現れました。これにはさすがに旦那さんも対処に困ったようです。

それらの書き込みに反してNさんの書き込みは趣を異にしていました。
Sさんよりも旦那さんの人柄や寝取られに至った経緯などを丁寧に聞いて
いったのです。話は前後しますが、出会い10、11で触れられた旦那さん、
そしてSさんの事情などはすべてNさんが聞き出したものなのです。

旦那さんはSさんと結婚をしてから、”Sさんの旦那さん”として
扱われることが多くなっていました。寝取られの掲示板でもそうですが、
主体は華やかなSさんであり、その付属品のような扱いをされることが多かったのです。
表面的には感情を出さない旦那さんでしたが、やはり思うことはあったのでしょう。

Nさんは付属品ではなく、旦那さんその人の個性を認め、人格を重視するような
対応をしました。旦那さんがNさんに心を許すのも当たり前と言えば当たり前だったのです。

やがて、旦那さんはNさんに対して一つの質問をしました。
「どのようなSMをしていたのですか?」と。この何気ない問いが後に
Nさんと深い関係を築くきっかけとなることも知らずに。

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