共有妻Y

Yはどのような女性なのか？
そう尋ねられた時、彼女の略歴を語ることは出来ます。

性格に関しても、大人しく控えめでありながら、
芯の強い女性という大まかな概要は語ることが出来ます。

もう一歩踏み込んで、素のYはどのような女性なのか？
○○の妹という立場を取り去ってしまった時、彼女には何が
残るのか？

…私には答えることが出来ません。
いつも私が見ているYのはにかんだ笑顔の下には、のっぺらぼう
な顔しか思い浮かばないのです。

Nさんの指摘で、私は本当のYに触れていない
ことに気付かされました。

Nさんとのメールのやりとりは、ほぼ連日のように
行われました。しかし、私とYの歪みを指摘した後で、
Nさんから、奥様の調教が佳境に差しかかるので、少しの間
メールのやりとりを休ませて欲しいと言われたのです。

あくまでNさんにとって、奥様との関係が最重要なのは
言わずもがなです。一段落したらNさんから再びメールを送る、
との申し出を、私は受け入れる他ありませんでした。

Nさんの消息が絶えたのは、メールだけではありません。
寝取られ系のHPのスレッドの更新も、Nさんの申し入れと同時に
途絶えてしまったのです。

Nさんのいない日々は空虚でした。
掲示板に集う同好の士も同様だったのでしょう。
盛んにNさんの安否を気遣う書き込みが後を絶ちませんでした。
すぐに掲示板の書き込み上限に達し、そのスレッドは表示されなく
なってしまいました。

生活からNさんの気配が途絶えた事で、私はNさんに寄りかかり
すぎていたことに気付き、適切な距離をとらなければならないことを
再確認していました。