幾度も触れているように、Yの姉-Kはクールな美貌の才媛です。
外見からいうならば、完全なSそのもの。性格に関しても同様です。
私がKに対して抱いている印象も、つけいる隙のない完全主義であり、
近寄りづらい女性。古い映画で良くある、教棒を手にした冷徹な女教師と
でもいうような印象を抱いています。しかし、その時の相互オナニーでYが
演じたKは、まったく違った女性だったのです。
私とYは全裸になり、ベッドで向き合いました。ややあって、Yが-Yの
演じるKが私に尋ねました。「私のことをどう思っていますか?」と。
私は戸惑いました。その問いの意味が解らなかったのです。Kはなお
も続けました。「女としての私は魅力がありますか?」と。
私は考え込まざるを得ませんでした。難題でした。確かに
外見の美しさは女性としての魅力を十二分に持っています。
しかし、内面まで考慮に入れると、画面の中の世界の違う女性を
見ているようで、現実味に欠け、”女性”として魅力的とまでは
言えなかったのです。
私は考えた末に、率直な気持ちを伝えました。
「外見は魅力的だと思う。けれども、違う世界の女性を
見ているようで、人間的-性的な魅力は感じられない」と。
私の答えを聞き、Kは黙り込みました。
やがて、両足を開くと、「これでも?私を抱きたいと思いませんか?」と、
女性器を見せたのです。それはトロトロと熱く濡れそぼっていることが
私には解りました。
私は混乱していました。
Yが一体何をしたいのか。どのような理由で姉を演じようとしているのか。
解らなかったのです。そして、姉を演じることで、私の気持ちを試そうとして
いる、そんな疑惑すら浮かんできたのです。
「どうしてこんなことを?」と私は尋ねました。
Yは応えました。「何も聞かず、率直な気持ちを教えてください」と。
真っ直ぐなYの視線からは、切実な想いが伝わってきました。
その気持ちを無碍にすることは、私には出来ませんでした。
私は、率直な気持ちを伝えました。
「抱きたいと思うよ」と。