それでも私は前に進むことを選びました。
後ろ向きな気持ちを打ち破り、前に進む原動力となったのは、
ひと言で言うなら”疑問”でした。それがどのような疑問かと言えば、
Yの妄想を聞いている内に、ふと私の中に浮かんできた一人の人物が
いたのです。なぜその人物が想像の中から浮かんできたのか。
それが大きな疑問となって私の中に蟠っていたのでした。
私は一旦は疑問を心の内に鎮め、Yに妄想を語るように
促しました。最初は訥々と、私の質問に答えるように情景を思い浮かべ
ながら語っていたYですが、徐々に言葉に熱を帯びていきました。
Yの想像の中で、私はYのことを完全に無視して
女性を楽しげに嬲っていました。女性の方も私に嬲られながら、
感極まったような女の媚態を示しつつ、Yなどその場に存在しない
かのように、私に対して媚びを見せていたのです。
やがて、私は女性の頭を鷲づかみし、口を犯し始めました。
女性の目から涙が溢れ、嘔吐き、咳き込んでも私は意に介さず、
口を犯し続けました。口の中の粘膜をたっぷりと楽しんだ後で、
私はおもむろに女性の喉へとペニスをねじ込んでいきました。
Yは、目の前でその光景を目の当たりにしているかのように、
恍惚としています。霞みがかかったような目と、紅潮した頬。
そして、太ももの間に差し込まれ、必死に指を動かしたいのを
堪えている様子…。
その時、私は尋ねたのです。「僕が抱いている女性は、
どんな女性なんだろう?」と。
Yは完全に虚を突かれたようでした。
しばしの間言葉を忘れ、妄想の中の女性の顔を
見詰めているようでした。しばらく後で、Yは力なく首を
振り「解りません」と答えました。