2ntブログ

記事一覧

願望から現実へ16

私は激しい動悸を感じていました。
まるで胸が張り裂けそうなほど強く激しい動悸が全身を
揺らしていました。

Yの話を聞きながら、私の記憶がゆっくりと形を変えていきました。
元彼女を寝取らせた男の姿が、私の知っている知人から、弟の姿へと
変わっていったのです。

西川美和という女性監督の「ゆれる」という映画があります。
その映画は、生真面目で融通の利かない兄と、都会的で遊び人の弟。
兄弟の対比を残酷なまでに描き出す映画でした。映画の中で、兄には心に
秘めた思 い人がいました。長年仕事の同僚として過ごしてきた女性で、
兄は奥手な性格から、思いを伝えることすら出来ず、相手からも同僚としか
思われていな いという切ない関係です。ところが、遊び人の弟は、法事で地元
に戻ってきた際、あっさりとその女性に手を出します。無論真面目に付き合う
気などさ らさらなく、単なるつまみ食い程度の気持ちで。

その映画を観たとき、私は胸の痛みを感じていました。
まさに私の家庭環境そのもの。生真面目で融通の利かない兄と、
都会的で遊び人タイプの弟。生まれ持った“華”の違い。
コンプレックスを感じる存在 が身内にいながらも、家族という血縁の
中では心の底から憎むに憎めない。縁を切ることすら叶わない残酷な関係。
その痛みを感じていたのです。

映画を観たときは、血縁関係の残酷さしか感じていなかったモノが、
今となって-寝取られを経験した今ではまた感じるモノが違うのです。

コメント

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

Re: 寝取られ欲望

ともさん

楽しみにしていただいてありがとうございます

またおいでください

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

mitsu

Author:mitsu
当サイトの著作権はmitsuにあります。
文章の無断転載、引用等はご遠慮ください。

カウンター

全記事表示リンク