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Nさんとの対面

Yの瞳には、彼女が覚悟を決めたとき特有の
静かな決意が漲っていました。彼女がこの瞳を見せたとき、
それは熟考した末に彼女なりの結論を出した時なのです。

こうなったときのYは、頑固で、自分の考えを曲げようとしない
ことは過去の付き合いから解っていました。

私は小さく息を吐き出しました。

応えを先延ばしにしようと思いつつ、
今になって振り返ってみれば、この時の私には二つの
想いが浮かんでいたように思います。

一つは、このままの関係で良いという、後ろ向きな思いでした。
相互オナニーを通じ、私とYはかなり深い部分までお互いを見せ合い、
理解を深めていました。これ以上先に進む必要はないじゃないか、
心のどこかにそう思う気持ちがあったのです。

もう一つは、Yの中にある何か得体の知れないモノ。
相互オナニーを通じて、Yの中にある歪みのようなモノが何か
モヤモヤとした不鮮明な形で見えてきたように思えていたのです。

その何かに触れたい。そうするにはどうしたら良いのか。
-Nさんに頼るしかないのか。それは自分の大人としての”能力”を
否定されているようで、抵抗があったのも事実です。

今になってみれば、どちらも自分の器の小ささに起因する
想いから来るモノだったのです。

「聞いてください」と、Yは、まだ迷っている私に対し、
訥々と話し始めました。

Yがなぜ、Nさんと話したいといったのか、
Yは、考えながら、それでもしっかりと言葉にして伝えてくれました。

Y自身、自分の中にあるモヤモヤとした何かの正体を掴むことが出来ず、
藻掻いてきたのでしょう。その何かをNさんの手によって明らかにする。
そしてそれを私に見せる。

それがどのような歪みで、
もしかしたら私にも、自分でも決して観たくないモノなのかもしれない。
それでもYはそれを私に見せたいと想ったのです。

「解った」と私は応えました。

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Re: NTRの展開

ともさん

お楽しみいただきありがとうございます。
じっくりお付き合いください。

またおいでください

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