2ntブログ

記事一覧

Nさんとの対面2

Nさんと初めて顔を合わせたあの日のことは今でも
はっきりと思い出すことが出来ます。

待ち合わせ場所は上野のコーヒーショップでした。
私達が恐る恐る店に入ってゆくと、奥の席で新聞を読んでいた
男性がゆっくりと顔を上げました。紺色のスーツ姿の男性は
中折れハットを取り、柔らかな笑みを浮かべ会釈をしました。
それがNさんでした。

緊張でこちこちになっている私達に向かって、
「無理にお呼び出ししてしまったようで申し訳ありません」
と、Nさんは詫びてくれました。

そして、左肩に比べ、右肩が下がっていることに触れ、
これは生まれつきで、このせいでスーツがすぐ型崩れをしてしまう。
と、自分の欠点をさらけ出すことでその場を和ませてくれたのです。

Nさんの姿は、長年教職にあった人だと一目で感じさせるモノでした。
銀縁のメガネに、昔の人特有のきっちりとしたスーツ姿。持ち物はサイドバック
でしたが、それも年季の入った革製のモノでした。

身に着けている物はどれも年代物ながら、きっちりと愛情を持って手入れを
されてきたことが容易に伺われるモノばかりです。

ロマンスグレーの頭髪を綺麗になでつけ、
常に柔和な笑顔を浮かべながら、ゆったりとした口調で話しをする。
言葉の一つ一つがこなれていて、人前に立つことに慣れているであろうことが
言わずとも伝わって来ます。

事前に写真の交換を済ませていたとは言っても、
やはり実際に見て、そして言葉を交わすのは感覚が違います。

しかしこの時は意外な事に事前に写真を見せられ、
こんな感じの人だろう、と思い浮かべていたNさんとさほどの
差がなかったのです。

それは気さくで飾らないNさんの人柄から来るモノかも知れません。

コメント

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

Re: NTRの夢

ともさん

楽しみにしていただきありがとうございます。
時々お休みもいただきながら、マイペースで更新してまいります。

またおいでください

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

mitsu

Author:mitsu
当サイトの著作権はmitsuにあります。
文章の無断転載、引用等はご遠慮ください。

カウンター

全記事表示リンク