私とYは目隠し程度の軽いSMは経験済みです。
そして、相互オナニーを通じて様々な過去の体験や妄想を
共有し、互いの性に関しての理解を深めてきました。
しかし、それ以上先へ進めずに足踏みしていました。
例えば、軽い緊縛を行ったことがあります。
赤い綿のロープで後ろ手に縛る程度の軽い緊縛だったのですが…。
どうしても気分がSMのモードに入れないのです。
私も、Yも、普段の姿を知っているだけに妙な照れが先だってしまいます。
Yは身悶えしながら、徐々に縄を緩め、苦笑しながら外してしまったのです。
結局そのような繰り返しで、何をする気にもなれず、縄を解くと言った
ことを繰り返してきたのです。
セックス自体も極々普通でした。
正常位とバック、騎乗位程度が主で、特に変わった体位などを
行うこともありませんでした。妙な照れが先だってふざけて誤魔化し
たりしてしまうのです。クンニリングスすら、Yが精神的な抵抗があって
拒むので行わないという、まるで性に疎い中学生のじゃれ合いのような
有様だったのです。
もちろんそれで満足している訳はありませんでした。
私の内面では、サディストの衝動とでもいうべき熱泥のような奔流が
わき起こり、それをどう表現して良いか、解き放つ手段が解らずに
いたのです。
しかし、この時のセックスは今までとは少し違っていました。