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私達は一頻り美術の話を楽しみました。
ややあって、話が一段落した時、私は頃合いを見計らい昨日の
話題を切り出しました。Yがぼんやりとしていた理由、そして異様な
興奮をしていた理由がずっと気にかかっていたのです。

私が話を切り出すと、Yは少し困ったような顔をしました。
そして少し無言で考えた後で、おずおずとこう言ったのです。

「目、です」と。

「目?」予想外の応えが返ってきたことで私は困惑しました。
一体何に対する目のことを言っているのか、解らなかったのです。
あの絵画の目の強さのことだろうか、と。Yは自分の内にある
言葉をひとつひとつ紐解くように話してくれました。


それをこまとめると、以下のようになるでしょうか。

Yが感じた”目”。
それは昨日、泉の畔で眠る裸婦の絵を見ている時の私の”目”のことでした。
私自身、絵画の持つ力に引き込まれていたので気付きませんでしたが、
裸婦の絵を見ているときの私の”目”それは異様な熱を帯びていて、
揺るぎのない強い眼差しだとYは感じていたそうです。

そしてその目を見ている内に、Yは不思議な浮遊感のようなモノを感じ、
気付けばぼんやりとしたまま、時が過ぎていたのでした。

私はなおも追求しようとしました。
しかし、それ以上何を聞いてもY自身、なぜそのような浮遊感を感じて
いたのか。そしてそれが昨夜の興奮に繋がっていたのか。
彼女自身言葉に出来る段階にはなかったのです。

私はハッと我に返りました。
Yが少し怯えたような目つきになっていました。

私はYに詫びました。

また、私の悪い癖-追求癖が出ていました。
1度興味を持ったことに対して、私はどうしても追求して、自分が納得する
応えが出るまで諦めない悪い癖があるのです。それが人に向けられた場合、
その時のYのように無理に相手を追い詰めてしまうのでした。

そして”目”についての話は一旦そこでお終いになりました。

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Re: NTRの本性

ともさん

楽しみにお待ちいただきありがとうございます。

またおいでください

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