共有妻Y

Yは、淫声テープの内容を頭の中で再生しながら、幾度もオナニーをしました。
といっても、性知識のなかった幼いYは直接女性器に触れることが怖く、ショーツの上から
そっと撫でる程度だったようですが。それでもクリトリスによるエクスタシーを感じたのも、
頭の中で淫声テープを再生しながらのオナニーの時が初めてでした。

最初の内、無知が故に頭の中で再生されるのは音声のみでした。
Yにとっては、それでも十分に刺激となっていたのです。やがて、音声に映像が追加されました。
それはささいな偶然がきっかけでした。Yが友人の女の子の家に遊びに行った時、その子が面白い
物があると、兄の部屋から持ち出してきたのが、いわゆるアダルトの投稿誌だったのです。

それは、素人が投稿した卑猥な写真を多数掲載する雑誌でした。
幼女達は顔を寄せ合ってページをめくりました。本の中には、Yが想像もしなかった淫靡な
世界が広がっていました。女性１人を複数の男性で輪姦している写真や、ゲームセンターや
コンビニで女性が胸をはだけている写真。過激なものになると、他の男性の精液で自分の彼女を
妊娠させるという雑誌企画まであったそうです。

中でもYが惹きつけられたのは１人の女性の写真でした。
蝶を模した仮面を着けた妙齢の女性が、ささやかな乳房をえぐり出すように麻縄で縛られ、ベッド
の上でバイブで責められていました。それも、Ｙの手首ほどもあるような極太のバイブが、女性器の中
に根本まで挿入されていました。それだけでなく、女性の足下には、ピンクや紫と言った毒々しい色の
バイブや、ビーズを繋げたような細身の物から、双頭のディルドや、根本が瘤のように膨れた物、幾つ
ものローターなど。使用済みで愛液に濡れた幾多の淫具が雑然と並んでいたのです。

バイブ責めの他にも、後ろ手に縛られたまま、跪いて男性器に奉仕している姿や、使用済みで、
愛液と精液に濡れたコンドームを咥えて微笑んでいる女性の写真。男性の上に跨って、腰を使って
いる姿を鏡越しに映した写真。道路に面した窓ガラスに吸盤でディルドを貼り付け、フェラチオをして
いる写真。首輪を着けられてヒモで引かれている姿や、女性器とアナルを同時にバイブ責めされて
いるような写真までありました。

何よりも、その女性の良く手入れされた長い栗色の髪と、猫のようなアーモンド型で、強い
光りを放つ目がYの心を引きました。そのどちらも、Yの良く見知った女性の特徴を備えていました。
-Yには写真の女性がN子さんとしか思えなかったのです。

Yは確証を得ようと、目を凝らして男性を見ました。相手がお爺さんであれば、写真の女性がN子さん
という確証が持てると考えたのです。しかし、どの写真を見ても、男性は注意深く身分が写らないよう
にしている様子で、せいぜい手か、足が写っているのみです。ただし、その手や足の皮膚を見る限り、
決して若くはなく、老年の男性であろうということが推測出来ただけでした。