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分水嶺

そこでNさんは動画を停止しました。
そして私にシャワーを浴びるように薦めました。

改めて自分の姿をみると、酷い姿になっていました。
グレーのズボンの股間部分は精子によってびっしょりと濡れており、
お漏らしをしたようでした。そればかりか精子と生乾きの布の嫌な
ニオイが鼻を突きました。

私はその時点で三度射精していました。
必死にペニスの根本を握って射精を堪えていましたが、
体の底から湧き上がってくる狂おしい奔流を我慢出来ず、不覚にも
ズボンを履いたまま、射精してしまっていたのです。

私は情けない気持ちのままバスルームへ向かいました。
ベタベタと太ももに張り付くパンツを脱ぎ捨てたとき、ケミカル臭のような
精子のニオイが湧き上がってきたことを今でも思い出します。

体を洗うのも億劫で、ざっとシャワーで体にまとわりつく汗を流した後、
熱めの湯をたっぷりと張ったバスタブの中にぼんやりと浮かびました。

様々な想いが浮かび、言葉にならぬまま湯気に紛れて消えて行きました。

やっと一つの山を越えたという安堵。
これで良かったのか?という微かな迷い。
この後どうなるのだろう?という不安…。

中でも頭に引っかかっていたのは、Yが見せた涙でした。
Yはどのような気持ちであの涙を流したのか…。幾ら考えてみても、
その時の私には涙の意味が解りませんでした。

どれほど物思いに耽っていたでしょう。
バスルームのドアが遠慮がちに開く気配がしました。
そして、「ご一緒して良いですか?」とYから声をかけられたのです。
無論私は「おいで」と応じました。

Yはシャワーブースで全身を丹念に洗いました。
私も、Yも、何も言いませんでした。ただ、お互いの存在を感じて
いたかったのだと思います。

やがてYは頭と胸にバスタオルを巻き、おずおずとバスタブの中に
入ってきました。そして、私たちは熱い湯の中でほぼ半日ぶりに向かい
合いました。

間近で見るYは、私の良く知るいつものYに見えました。
童顔で、少女の面影を色濃く残すY。先ほどの動画の中で見た、
情交の悦びに噎ぶYと同一人物だとはとても思えませんでした。

しかし、あの激しい情交は紛れもない事実なのです。

言いたいこと、伝えたいことは沢山ありました。
臆病で引っ込み事案なY。それでも私のために勇気を振り絞って
Nさんとの情交に望んでくれたY.。言わなければならぬことは幾らでもありました。
しかし、その時口から出て来たのはシンプルな言葉。「ありがとう」という
感謝の言葉だったのです。

Yは「うん」と小さく頷きました。
私の中に愛おしさがこみ上げてきました。Yの手を取り、一緒に入浴する
時に良くやる、抱っこのポーズをとろうとしました。Yを腕の中に感じながら、
溢れてくる気持ちを語ろうと想ったのです。

しかしYは、「待って下さい」と僅かに身を避けました。
そして、「最後まで動画を見て下さい」と続けたのです。

Yの拒絶にも似た態度に、小さな不安が生まれました。
彼女は私に何を見せようとしているのか…。

…部屋に戻ると、既にNさんの姿はありませんでした。
Yに尋ねると、私が入浴してすぐに一人で先に帰宅したことを
教えられました。

…この先は、私とY、二人で向き合うべきこと、
Nさんは無言の内にそう告げていたのです。
無論、後で解ったことですが。

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Re: こんばんは

みーさん

その時々で思いのままを綴っていただいたからこそ
みーさんのダ イレクトな気持ちを感じることが出来ました。
それが何よりも嬉しいです。ありがとうございます。

Nさんは私達のことを考えて下さっている方です。
感謝してもしたりません。とはいえ、それ以前に彼は調教師です。
Yへどのような調教をしたのか、Yの気持ちも含め、この後追々触れていきます。

またおいでください。

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