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分水嶺7

私は意識せず「淫乱な女だな」と漏らしていました。
しまったと思いました。Yの姿から感じ取ったことを、そのまま口に出して
いたのです。今までのYであれば、「ごめんなさい」と自分を責め、この親密な
時間が終わりかねない、破滅を意味する言葉でした。

しかしYは「うん」とだけ答えたのです。
そして私の首筋にキスをしながら、「セックス好きです」「おちんちん好き」
「このおちんちんが好きです」と淫らに腰を振り続けたのです。

全てをさらけ出してくれるYに対して、たまらない愛おしさが
こみ上げてきました。私は対面座位の体位を摂ると、Yの頭を抱き寄せ、
唇を吸いながらただ腰を突き上げました。先ほどまでのように、どこを責め
ようだとか、どう責めようだとか、余計なことは頭にはありませんでした。
ただ、思うがままにYの親密な膣の感触に没頭していたのです。

程なくして限界が近づいてきました。
私が「出すよ」というと、Yは抱きつく腕に力を込めました。
暖かくぬかるんだ柔らかな粘膜は、優しくペニスを抱きしめ、
奥へ奥へと引き込もうとしているようでした。

言葉は必要ありませんでした。
Yは全身で「中に射精して欲しい」と伝えてきたのです。

私はYの中に灼熱を放出しました。
三度大きな波が来ました。1度目はペニスの根本で爆薬が暴発した
かのように勢い良く精子が迸りました。2度目は先ほどとは違い、勢い
は穏やかでしたが、時間をかけて精子がYの胎内に送り込まれました。
3度目はまるで骨髄が精子として溶け出したかのような、気怠い射精
でした。

それまでにYは幾度か逝っていました。しかし射精はさらに大きな絶頂を
もたらしたようでした。彼女は私の胸にしがみつき、ビクビクと痙攣しながら
「…熱い」「まだ…」…「奥」と譫言を漏らしていました。3度目の波が来た時、
感極まったYは、痛いほど私の唇を噛んできたのです。

深い絶頂に達したYは、ヒューズが爆ぜたかのように脱力し、
全身を私に預けてきました。私も全身の骨髄が溶けてしまったような
気だるさの中で、ベッドに背を預けました。腕の中でYの温もりと、ニオイを
感じながら、背中を撫でていました。

…私達は、紛うことなき夫婦の情交をしていたのです。

今にして思えば、私達はこの時初めて結合し、
”夫婦”になれたのかもしれません。

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