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願望から現実へ3

私は6畳ほどの和室を自室兼仕事部屋として使っています。
そこで私はPCに残っているNさんとのやりとりを全てYに見せました。

Yは無言で画面を見詰めていました。
無機質なLED電灯の明かりの下、カチカチという、マウスを操作する
音だけが小部屋の中に響いていました。Yの横顔からは、彼女の感情が
読み取れません。無為な時間が過ぎていきました。

やがてYが、ボソッと何かを呟きました。
私は「え?」と聞き返しました。聞き取れなかったのです。
彼女はこちらを向きました。そして、「ごめんなさい。我慢させて
しまっていたんですね」と謝ったのです。

私は心を込めて釈明しました。
Yに「女」を感じられないのは、Y自身の体や、不妊症によるものではない。
Yが姉や両親に対する引け目を感じているから-Yの中に根付く「枷」のせい
なのだ、と。私の言葉を聞き、Yはうっすらと、そして悲しげに微笑みました。
「”枷”という言葉、メールの中でも沢山使っておられましたね」と。

私は「枷1.2」のエントリーで触れたことを、そのままYに話して聞かせました。

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Yが私とのセックスに求めるモノは、あくまで肌の触れあいによる
充足感、満足感でした。彼女は私を「家族愛」のパートナーという
枠に入れることで、意識的に性の悦びを排除していました。
何かの拍子に性の悦びに触れそうになると、途端に洗面所へと
逃げ込み、戻って来た時にはパジャマ姿というようなことも多々
ありました。

性の悦びを廃し、肌の触れあいだけを求める交わりは、私にとって
非常に虚しいモノでした。表層的な繋がりだけで満足し、より深い部分
での繋がりを拒絶されているような感覚。綺麗な部分や取り繕った部分
だけで繋がっていようとする空々しさ、距離。常に半分しかYに触れていな
いと感じていたのです。

Y自身はその関係に満足していたようですが…。
逆説的な形となりますが、Yが他の男に抱かれる夢を見るように
なって、私は自分の求めているものをはっきりと認識しました。

私はYの深い部分、つまり「女」に触れることを切望していたのです。
------------------

そして私とYは、長い時間を掛けて「枷」について語りました。
恐らく半年ほども語ったでしょうか。今までに記してきた「枷」に対する
考察などはすべて、私とYの話しの中で自覚したモノなのです。


http://mitsumusi.blog.2nt.com/blog-entry-128.html
へと続きます

コメント

志保美です

1つのテーマを半年もかけて語り合う・・・理想のご夫婦と拝察いたしました。

mitsu さんの深い考察も、そうした時間の積み重ねで生まれてきたのですね。

奥様の変化はNさんの存在も大きいのでしょうけれど、奥様ときちんと向き合っておられる mitsu さんがいらっしゃればこそと存じます。

引き続き、更新を楽しみにしております。

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Re: 志保美です

志保美さん

コメントありがとうございます。

私とY,お互いに普段は感情表現が苦手だからこそ、でしょうか。
このような問題があったからこそ、話し合う場があり、それによって
お互いに向き合う良い機会になったのだと思います。

そうでなければ、ここまでお互いについて知ることもなかったか、と。

またおいでください

Re: NTR公認

ともさん

コメントありがとうございます。
それが女の性なのかもしれませんね

またおいでください

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Re: こんばんは

みーさん

お気遣いありがとうございます。
みーさんもお加減はいかがですか?

二人を縛る「枷」
枷をどうにかしたいという思い。
恐らくYが相手だからこそ、ここまで真っ直ぐに
向き合えているのだと思います。

Yの真っ直ぐな姿勢が逃げるのを許さない。
だからこそ私も踏みとどまっていられる部分が
強いというのか。

色々と立て込んで参りましたので、
今週の更新はお休みさせていただきます。
次週は更新出来ると思います。

みーさんもご自愛ください

またおいでください

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