出会い6
- 2021/06/07
- 21:58
そして、話は想像もしていなかった方向へと広がっていくのです。食事を終えた私達は、Nさんの誘いでホテルの庭園を散歩することにしました。その庭園は、都内でも名高い庭園でした。良く手入れのされた石畳をゆったりと私達は歩きます。Nさんはこの庭園に詳しいようで、その由来から今、どのように保存されているかなどを面白おかしく語って聞かせてくれます。私達は興味深くNさんの解説を聞きながら、ユニークな話し方に笑いが絶...
出会い5
- 2021/05/24
- 21:59
私達は緊張しながらラウンジへと足を踏み入れました。毛足の長い絨毯がふわりと足を受け止めたことを覚えています。そこはイングリッシュグリーンとウッドのブラウンが基調となった上品で古き良き英国を感じさせる、豪奢でいながらも、どこか心安らげる不思議な空気に満ちた空間でした。NさんとSさんはラウンジの最奥の席、大きな窓に囲まれたソファーにゆったりと並んで寛ぎ、私達を待っていました。初めて二人の姿を見た私は、不...
出会い4
- 2021/05/17
- 22:03
その女性-仮に名前はSさんとしておきます。Sさんとお会いしたのはそれから三週間後の週末の昼。都心にあるシティホテルの静かなラウンジでした。…三週間。長いと思っていても、日々の慌ただしさに押し流され、当日の朝はあっという間にやってきました。私とYは数日前から緊張を隠せませんでした。まるで受験を控えている受験生のような有様でした。前夜に至っては一睡もすることが出来ず、ポツポツとベッドの中で今日のことをとり...
出会い3
- 2021/05/10
- 22:01
私はNさんの提案に非常な魅力を感じました。あの写真の女性に、実際に”共有妻”としてNさんとお付き合いしていた女性と会う。当事者に聞きたいことや知りたいことはいくらでも思い浮かびました。彼女がどのような気持ちの変遷を経て、”共有妻”に至ったのか。”共有妻”となる前となった後、どのような変化が起きたのか。そして今、”共有妻”であったことをどのように感じているのか。性についての理解を深めることは、足踏みを続ける私...
出会い2
- 2021/04/19
- 23:08
私は迷いながらも、袋小路に陥っている心の内を素直に打ち明けました。どこにも行き先が見えず、答えがまったく出せず、途方に暮れている、と。Nさんは黙って私の言葉に耳を傾けていました。少し間を置いた後で、彼は驚くような提案をしてきたのです。「もし、mitsuさんご夫婦さえ良ければ、写真を見せた女性-”共有妻”となった女性と一度会ってみませんか?」と。唐突な申し出に、私は言葉に詰まりました。想像外の提案だったのです...